2004年第5回世界デフゴルフ選手権大会

第五回世界デフゴルフ選手権大会成績
2004年7月25日〜7月30日
ドロットニングホルムゴルフクラブ(スウェーデン・ストックホルム郊外)
参加国13ケ国

下記urlをクリックするとスウェーデン大会のムービーファイルが見られます。
(ただし、window media playerが必要です)
 http://www.deafnation.com/t/dntv.asp?articleid=233&zoneid=2

海外大会に初参加して

団長兼選手 澤田謹吾

飛行機嫌いの私が長距離の航空を利用してスウェーデンまで日本選手の団長として第5回世界デフゴルフ選手権に参加したのは、日本デフゴルフ連盟の副理事の立場として世界デフゴルフ選手権の現状をこの目できちんと確かめ、今後どうあるべきかの課題をとりまとめて評議会に報告すべき義務を果たしたかったのと、一部の出場選手から団長として参加して欲しいと要請があったためである。

日本からスウェーデンへ航空の最短距離をとってもデンマーク経由で約13時間、時差は約6時間以上あるようだ。長い航空時間を経て無事にアーランダ国際空港に到着、スウェーデンの役員が迎えにきてくれ、約40分で宿泊先へ。スカイテホルムホテルは夕焼けに映えた静かな佇まいの湖畔と自然豊かな森林に囲まれており、都会に住み慣れている私にとっては全くの別世界で心が洗われているようだった。

続いて、私が驚いたのは手話表現。ASLだけでなくスウェーデンだけの手話、イングランドだけの手話それぞれ微妙に違うのだが、参加国が英語中心の国揃いだけあって日本を除き参加国はコミュニケーションに殆ど支障はみられないようだ。だが日本選手の中には手話や表情のコツを掴んで何とか意味が通じるよう努力している選手もいた。私は残念ながらその要領が悪く、何となく分かってはいてもニュアンスが正しく通じているか不安だった。

通じない不安を胸に秘めたまま、年次総会に臨んだ。

手話通訳の健常者、ASLの出来る日本選手の協力のお陰で始終の流れは大体把握できたが、質問や意見発言のタイミングがなかなか難しい。意味が分かるときはもう別の話の流れに移ってしまっているのだ。一部の参加国の団長が心配して日本を何とか理解させるよう発言を頂いたのは嬉しかった。結局は発言させられずしまいだったが、いい経験にはなった。

2008年の大会開催担当がオーストラリアに決まったが、2010年や2012年開催担当が順位からいって日本が候補に挙がっている雰囲気は感じられた。

さて試合のゴングが鳴った 。私は男子選手の初日でかなりの緊張だった。初日は私が87を叩いたが、雰囲気に慣れていき80、78、86と何とか目標85台をコンスタントに出せた。

一緒に回った選手の中には感情的に話し出したり、動作に出す海外選手もいた。日本男子選手が悪戦苦闘している中でシニア選手や女子選手は国際舞台で大いなる健闘を見せた。
シニア選手の大石選手が優勝、神沢選手が準優勝そして女子選手の石澤選手が3位と好成績を上げ、日本チームの誇らしい成績を残せることが出来て、私も団長として参加することに大いに意義があり大変嬉しい。団体競技では男子8位(9ケ国中)、女子3位(4ケ国中)だったが日本選手のゴルフ技術は発展途上にあり、今後も世界デフゴルフ選手権で日本選手の活躍が期待できるよう切望している。

日本選手の中にはハードスケジュールで毎日の寝不足と疲れと戦っている中で5日間の足でのラウンドは生まれて初めての方もいたが、新しい発見も多かっただろう。

最終日に日本選手みなさんが怪我も大きな病気もなく無事に帰国できたことは団長として責任が果たせて嬉しく思います。日本選手の皆様、本当にお疲れ様でした。

海外大会に参加して感じた今後の課題について以下に纏めておきます。

1.開催国のゴルフルールに基づいてプレーしているようだが、選手同士で揉めている場面もみられ、世界共通で審判制度を強化すべきではないだろうか。

2.参加国が英語で会話できる国の集合体になっている。英語で会話できない国(例えばドイツやフランスなど)が多く参加できるようになれば通訳の整備などうまく相互的に協力するようになるのだろうか。

3.イングランドやアメリカ、アイルランドなど各国毎にユニフォームは統一されており、スポンサーからの協力はかなりあるようだ。日本も少しずつながらもスポンサーとの関係を深めていかなくてはいけないだろう。(デンマーク選手はトップアマ大会成績の上位者でスポンサーを取り次いでいるらしい)

4.2010年は微妙、2012年はおそらく日本が開催担当になる。どこまで準備していくのか話し合いが必要になり、選手が役員として協力してもらうこともある。世界デフゴルフ選手権とはあるが、あくまでも国際交流の舞台が趣旨である。

5.海外選手はアプローチ練習環境に恵まれている。打ちっぱなし練習場が日本に多いが、自然芝を用意したアプローチ練習場がみられるのは稀である。自然芝のアプローチ練習場の提供を大いに望むところである。

デフリンピック役員と

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