2018年7月24日から4日間、好天のもと、世界デフNo.1ゴルファーを決める「第12回世界デフゴルフ選手権大会2018」がアイルランド ダブリン郊外にあるカートンハウスゴルフコース(男性部門:モンゴメリーコース、女性・シニア両部門:オメーラコース)にて開催されました。
世界19ヵ国、113選手(男性:50名、女子:27名、シニア:36名)が参戦し、日本からは男性3名、女性3名、シニア1名の参加でした。
他に団長をはじめ、国際手話通訳派遣者、国際手話通訳サポート、専属キャディ、トレーナー、応援者など9名が駆けつけ、総勢16名の賑やかなチームとなりました。
私、野尻が日本代表チームのキャプテンとして、同大会に参加して感じたことを下記に述べさせていただきましたので、次回大会に参加する方々への参考になれれば幸いです。
総会では、前回大会の報告、会計報告、理事更改、2020年大会と2022年大会の案内、各国からの要望に対する賛否、理事メンバー選出、デフリンピックゴルフの進捗などの話があり、それぞれの状況について知ることができました。
キャプテン会議では、特別ローカルルールの公示、ドロップエリア場所、暫定球のサイン統一、などの大会ルールに特化した質疑応答があり、非常に有意義な会議でした。
キャプテン会議に参加して強く感じたことは、キャプテンはルールを熟知していないと話の内容に付いていけないと感じました。
総会とキャプテン会議で袖山由美さんが通訳していただいたおかげで、どんな話をしているかを把握することができました。
世界大会には袖山由美さんの存在は不可欠で、大変感謝しています。
半数の選手達(大島選手、袖山選手、筆者)が早めに現地入りし、コースチェックを丹念に行ない、チームのために有益な情報を共有化などの、自ら率先して行動していただきました。
また、チームミーティングを毎夕開催し、ルールのQ&Aと再確認などを行ない、不安要素を取り除き、各自のモチベーション向上に努めていきました。
また、袖山選手が連れてきていただいたトレーナーの笹川誠さん(タイ古式マッサージ『ガウナー』代表)にケアしてもらったりアドバイスをもらったりするなど、チームにとって必要な存在で大変有難かったでした。
ほとんどの選手達はフライトが予定通りに到着できなかったり、ロストバッゲージに遭ったり、富川選手と鈴木選手が大会3日目までレンタルクラブを強いられたりなどの不運な状況に置かれましたが、持ち前の不屈の精神でなんとか難局を乗り切っていただきました。
また、アイルランド出国の際、ドイツ国内の空港がセキュリティ違反により閉鎖され、その影響により、富川夫妻と鈴木選手がドイツ経由で帰国するはずのフライトが欠便となり、ダブリンに2日程滞在を強いられるはめとなりました。国際手話通訳サポートの郡さんのご尽力により、2日後の振替便を確保いただき、足止めを食らった3名を無事帰国することができました。郡さんの多大なサポートに心より感謝申し上げます。
一番の難敵は日本ではお目にかかれない背よりも高いバンカーとその数の多さ、そして、好天続きによりどこまでも転がる硬いフェアウェイと起伏が激しく硬いグリーンでした。
その中で袖山選手が2年かけてスイング改造を取り組んできた成果が出て、2010年スコットランド大会以来となるベスト10入りに果たすことができました。
一方、本来の調子を出せず、苦戦していた選手もいましたが、冷静に1打1打に集中し、叩いてしまっても翌日の挽回を目指して、ラウンド後練習に励む選手の姿が見られました。
今回は慣れない環境に戸惑い、悔いの残るプレーとなりましたが、何事も経験で、次への糧と考えれば、本当に素敵な経験ができたのではないかと思います。
他国チームがどれだけ努力してスポンサーを得られているかを聞き取っていただいたところ、ゴルフ大国である、イングランドやオーストラリアなどは国を代表して出場しているので、自国大使館にスポンサーをお願いしていたそうです。その結果、選手達はあまり負担することなく、参加できたそうです。支援いただいた御礼にオープンセレモニーの前に在アイルランドの大使館に表敬訪問した国もあったそうです。
もちろん連盟理事も一緒に訪問して、世界デフゴルフ大会の存在を示したそうです。
このことからわかるとおり、各国がいかに努力してスポンサーを得られているかを垣間見ることができました。
今後、我が日本でも、そのような事が行なえるよう、今後の日本デフゴルフの発展のためにも、より一層活動していかなければならないなと強く感じました。
次回の世界大会は、2020年8月にイングランド・バーミンガム近郊にある、
FOREST of ARDEN MARRIOTT HOTEL & COUNTRY CLUBにて開催されます。
アイルランド大会終了後、大島選手と当コースにて下見ラウンドをしてきましたので、日本と遜色ない整備された林間コースで、日本人にとってはプレーしやすいコースだと思います。
是非とも日本からは一人でも多く参加いただき、納得行くプレーをし、有意義な時間を過ごしていただければと思います。
詳細なコースについて知りたい方は、筆者までお問合せください。
時差ボケやフライトトラブルによる遅延やロストバッゲージが遭わされたときのリスクを最小限に抑えるためには、余裕を持って現地入りするのがもっとも有効な1つだと思いますので、次回以降、参加される方にはぜひこの早期現地入りを強くお勧めします。
団長が団長らしい活動をしていただいたのはクロージングセレモニーぐらいでした。今回の諸々の反省を教訓にし、団長としてどのように活動すればよいかを熟考いただき、次回以降、素晴らしい活動を見せていただけることを期待しています。
最後に、多くの協賛品を頂きました株式会社ドーム様をはじめ、国際手話通訳派遣者、国際手話通訳サポート、キャディの皆様、トレーナー関係者の皆様、現地まで応援して頂いた皆様、カンパなど寄付頂いた皆様、他国への日本土産を頂いた皆様、個人的に支援いただいた皆様、皆様からの多大なるご温情に対し、日本チームを代表して、心より深く感謝を申し上げます。
日本代表選手の成績は下記のとおりです。
男性部門
7位 袖山哲朗選手(315st 78,82,81,74)
36位 野尻房男選手(356st 82,96,89,89)
48位 中村俊介選手(395st 102,103,91,99)
女性部門
20位 大島未来選手(399st 99,101,102,97)
23位 富川己幸希選手(416st 99,119,96,102)
26位 川崎良子選手(434st 117,99,114,104)
シニア部門
26位 鈴木邦男選手(372st 94,92,93,93)
文責 日本代表チームキャプテン 野尻房男