理念・目的
理念
スポーツ交流、競技を通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利であり、聴覚障がい者、健常者を問わずに全ての国民がその自発性の下に、各々の関心、適性等に応じて、安全かつ公正な環境の下で日常的にスポーツを楽しみ、世界のあらゆる場所で多様性の旗印となり、公平性の目印となるもので、共生社会を創生していく推進力となっている。私たちはデフゴルフ競技の普及とデフリンピック等国際大会で上位進出を目指すことを通じて、デフリンピック・ムーブメントを体現化していきます。
目的
日本国内在住の聴覚障がい者がデフゴルフ競技を通じて、デフゴルフ全般の知識や競技力を高め、健康と福祉の増進を図り、健常者や聴覚障がい者等問わず、 聴覚障がい者のスポーツ文化を広く理解・交流を深めることに寄与することとしています。
ゴルフ時のハンディ
聴覚障がいは見えない障がいで、みかけは健常者と同じですが、耳が全く聞こえないために目前にあるもの、身体で感じるものを判断してスポーツをすることが日常茶飯事になっています。
幼少時に病気や薬が原因で耳が聞こえなくなったために発音を獲得するのが難しく、発音がうまく出来ない言語障がいをあわせもった聴覚障がい者ゴルファーが日本デフゴルフ協会会員の約90%です。
そのために筆談、手話主体のコミュニケーションが必要になってきています。
日本デフゴルフ選手権大会は手話通訳を必ず手配しています。
ゴルフする時のハンディは大概、次の通りです。
- 風の音が聞こえない
- スイング、ショットの音が聞こえない(ショットの音が8種類あると聞いたが、分からない)
- 林、池に当たった音も聞こえない
- 同伴者が健常者の場合、コミュニケーションがうまくとれないことがある
- ゴルフ場からのお知らせなどのマイクが聞こえないために健常者より気が付くのがかなり遅い
- 回りの雑音も聞こえない
- グリーンの上でパターを打つとき、音でなく手で感覚を頼りにするため、グリーンの速さはどの位あるか掴みにくい。
時代の流れとコミュニケーションの苦労
- 約30年前(昭和時代)は聴覚障がい者ゴルファーを入場させないゴルフ場がいくつかみられたが、手話ブームをきっかけに世間一般的に聴覚障がい者の理解が進み、大学に進学する聴覚障がい者が増えてきており、聴覚障がい者ゴルファーはどこのゴルフ場でもプレーができるようになった。
- 名門ゴルフ場を含むゴルフ場の会員権を持つ聴覚障がい者ゴルファーが増えてきている。
- メンバーと一緒にラウンドして食事してゴルフ談話してもコミュニケションがうまくとれないため、なかなか輪に入りくく、孤独感を感じてしまうことがある。
- ゴルフが上手になるために健常者はレッスンプロから教えてもらったり情報をうまく活用する方法があるが、聴覚障がい者は練習場に行ってレッスンプロから教えてもらいたくてもコミュニケーションがうまくとれないからなかな か上達しくい。言葉をある程度獲得している聴覚障がい者ならゴルフ本を読み漁り、情報をうまく活用できるが、言葉 を獲得していない聴覚障がい者はゴルフ本を見ても理解できないために、上達する方法はゴルフに精通している聴覚障がい者から手話を交えて情報を獲得することでやっと上達するゴルファーも多くいる。
ちなみに70台を狙える競技志向のアマチュア聴覚障がい者は日本で数えても20人程度しかいないと思われる。